1. 社会は「覚えた量」だけでは点になりません
社会は暗記科目だと思われています。半分は正しく、半分は違います。
用語を覚えることは前提です。ただし、いまの公立高校入試で配点が大きいのは「覚えたことを使って、資料を読み、理由を説明する」問題のほうです。
一問一答が満点でも、点が伸びない人がいます。知識はあるのに、資料と記述で落としているからです。
逆に言えば、知識がそこそこでも、資料と記述の型を持っている人は点が取れます。
2. まず、自分の県の社会がどう出ているかを見る
社会の出題は、県によってかなり違います。全国共通の「社会の対策」というものはありません。
- 配点が違います。1教科50点の県(山口・島根)、60点の県(大分)、70点の県(岡山)、100点の県があります
- 時間が違います。1教科45分の県(岡山)から60分の県まであります
- 調査書での重みも違います。実技4教科を2倍する県では、社会1教科ぶんの評定の重みが相対的に下がります
自分の県の記事は 【47都道府県】公立高校入試の難易度ランキング から選べます。県ごとの違いは 公立高校入試は都道府県でどう違う? にまとめました。
過去問を1年分だけ解いて、次の3つを数えてください。
① 用語をそのまま答える問題は何点ぶんか
② 地図・グラフ・年表を読む問題は何点ぶんか
③ 文章で説明する記述問題は何点ぶんか
この3つの比率が、あなたの県の社会の性格です。ここを見ないまま一問一答だけ回すのは、当てずっぽうです。
3. 資料問題は「読む順番」を決めておく
地図・グラフ・年表・統計表。資料問題で固まる人の多くは、資料を先に読み込もうとしています。順番が逆です。
| 順番 | やること |
|---|---|
| ① | 設問を先に読む。何を聞かれているかを決めてから資料を見ます |
| ② | 資料の見出しと単位を見る。「何年の」「何の」「どの単位の」データかを確認します |
| ③ | 設問に関係する数字だけを見る。全部読む必要はありません |
| ④ | いちばん大きい・小さい・増えている・減っているを探す。問われるのはたいていここです |
雨温図は、覚えるより「見分け方」を持つほうが早いです。気温の折れ線が上下どちらに山があるか(南半球か北半球か)、降水量の棒が夏に高いか冬に高いか。この2つで大半が絞れます。
4. 記述問題は「型」を先に覚える
記述問題で白紙にする人が多いのは、書くことが無いからではなく、書き出しが決まっていないからです。
- 理由を聞かれたら…「〜だから。」「〜のため。」で終える
- 特徴を聞かれたら…「〜に比べて〜が多い(少ない)。」と、比べる相手を入れる
- 変化を聞かれたら…「〜から〜へ変化した。」と、前と後を両方書く
- 資料を使えと言われたら…資料の数字か語句を必ず1つ入れる。入れないと、内容が合っていても点になりません
模範解答を「写す」だけで終わらせないでください。やることは3つです。
① 自分の答案と模範解答を並べる
② 模範解答に入っていて、自分に無い語句に線を引く
③ その語句を入れて、もう一度自分で書き直す
この3つ目をやるかどうかで、次に同じ問題が出たときの結果が変わります。
5. 分野ごとに、聞かれ方が決まっています
地理・歴史・公民は、それぞれ出題のくせが違います。分野ごとに構えを変えたほうが早いです。
🗾 地理|「日本の中の位置」と「世界の中の位置」
- 雨温図と気候区分…毎年のように出ます。日本国内は「太平洋側・日本海側・内陸・瀬戸内・南西諸島」の5つで整理してください
- 地形図の読み取り…等高線の間隔(急か緩やかか)、地図記号、縮尺から実際の距離を出す計算。計算は必ず1度は手を動かしてください
- 統計表の順位…都道府県別の生産量などは、上位3つだけ覚えれば足ります。全部は要りません
- 時差の計算…経度15度で1時間。日付変更線をまたぐかどうかだけ、慎重に
📜 歴史|「並び替え」と「時代をまたぐ説明」
- 年代の並び替え…年号を丸暗記するより、「何のあとに何が起きたか」の因果でつなぐほうが確実です
- 近現代史…配点が大きいのに、学校の授業では最後に駆け足になりがちです。ここを自分で埋められるかで差がつきます
- 資料と結びつける問題…写真・絵・史料が出て「これはどの時代か」を聞かれます。教科書の図版は一度は目を通してください
- 時代をまたぐ記述…「古代から近代までの外交の変化を説明せよ」のような形。流れをストーリーで持っていないと書けません
⚖ 公民|「しくみの名前」より「役割の違い」
- 三権分立…国会・内閣・裁判所がお互いに何をするかを、矢印で書けるようにしてください
- 日本国憲法…三大原則と、基本的人権の分類(自由権・平等権・社会権・参政権)
- 選挙のしくみ…小選挙区と比例代表の違い、一票の格差
- 時事と結びつく問題…物価、円安、少子高齢化など。ニュースの用語が資料として出ることがあります
公民は範囲がいちばん狭く、いちばん短期間で伸びます。秋から始めても十分間に合います。
逆に地理と歴史は量があるので、後回しにしすぎると終わりません。
6. よくある失点のしかた
| 落とし方 | なおし方 |
|---|---|
| 用語は書けるのに、記述で0点 | 資料の語句や数字を答案に入れていません。「資料から読み取れることを使って」と書いてあったら、必ず資料の言葉を入れる |
| 漢字の書き間違いで× | 社会は用語を漢字で書かせることが多い教科です。「幕府」「租税」「議院内閣制」は、読めるだけでは足りません |
| 時間切れで最後の記述に届かない | 記述問題を先に見つけて、先に解くという順番もあります。配点が大きいほうから取ってください |
| グラフの単位を読み違える | 「万トン」か「トン」か、「%」か「人」か。見出しと単位を先に読む習慣で防げます |
7. 過去問を使う順番
| 時期 | やること |
|---|---|
| はじめ | 1年分を時間を計って解く。いまの位置と、資料・記述の比率を知るため |
| 次 | 分野別に解く。地理だけ、歴史だけ、公民だけ。弱いところが分かります |
| そのあと | 記述問題だけを集めて解く。型が身につくまで |
| 直前 | 年度ごとに通しで解く。時間配分の確認 |
他県の過去問も使えます。社会は資料問題の作りが県をまたいで似ているので、記述の練習量を増やしたいときに向いています。ただし配点と時間は自分の県に合わせてください。
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8. 秋以降にやること
社会は後ろに回してよい教科です。覚えた量がそのまま点になるので、直前でも伸びます。ただし「後ろに回す」と「捨てる」は違います。
時期ごとの進め方は 【中3の秋】高校入試の社会でやるべきこと に、全国の頻出パターンは 公立高校入試で「毎年必ず出る」超頻出問題 にまとめました。
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