高校入試の英語は「基礎固め」が先|単語と文法を先に終わらせる理由

高校入試の英語は基礎が先 単語と文法から あとから詰め込みが効かない唯一の教科

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目次

はじめに|英語だけは「あとから詰め込む」が効きません

受験勉強では「5教科をまんべんなく」と言われます。ただし英語だけは、他の教科と同じ考え方では間に合いません。

理科と社会は、覚えた知識がその日から点になります。英語は違います。単語と文法という土台がないと、長文を読んでも意味が取れず、リスニングを聞いても言葉が入ってきません。積み上がるまでに時間がかかる教科です。

だから英語は「先に」やります。順番の問題です。
理科・社会は後ろに回しても間に合います。英語を後ろに回すと、間に合いません。

この記事では、いつ読んでも使えるように、英語の基礎固めで何をどの順番でやるかをまとめます。時期ごとの進め方は 【中3の秋】9〜11月にやるべきこと もあわせて読んでください。

英語のリスニングは、県によって扱いがかなり違います。茨城県は50分のうち15分が聞き取り、千葉県は英語だけ60分、秋田県は検査開始と同時に10分間のリスニングが始まります。
自分の県がどうなっているかを、早めに確認しておいてください。県ごとの違いは 公立高校入試は都道府県でどう違う? にまとめました。

1. 英語は「遅効性」、理科と社会は「即効性」

多くのご家庭では、「まとまった時間が取れるようになってから、英語も数学も理社も総復習しよう」と考えがちです。しかし、英語に関してだけは「あとでまとめて」が通用しない理由があります。

公立高校入試の5教科は、勉強を始めてから「模試や入試本番で点数が伸びるまでのスピード」が教科によって全く異なります。ここを理解していないと、秋以降の受験スケジュールが確実に崩壊します。

理科・社会は「即効性」があるが、英語は「遅効性」の教科

理科や社会は、言わば「独立した単元の集まり」です。
例えば、中1の「植物の分類」を完全に忘れていても、中3の「イオン・化学変化」の単元を今から必死に覚えれば、その化学単元の点数はすぐに上がります。

歴史でも「江戸時代」が苦手だからといって「明治時代」の問題が解けないわけではありません。つまり、暗記した量がそのまま短期間で結果に直結する「即効性」の高い教科なのです。

一方で、英語は完全な「積み上げ(積み重ね)の教科」です。
中1で習う「be動詞・一般動詞の区別」や「三人称単数のs」が抜けている子は、中2の「過去形」や「助動詞」が理解できず、結果として中3の「現在完了形」や「関係代名詞」を使った長文問題が絶対に読めなくなります。

基礎という1段目の階段を上っていない子は、3段目、4段目の階段に足をかけることすらできません。
そのため、英語は勉強を始めてから「長文が読めて模試の点数に結びつく」までに、早くても3ヶ月、普通は半年以上の時間がかかる「遅効性」の教科なのです。

夏以降に英語をやり直す「最大の合否リスク」

もし英語の基礎(単語・文法)を曖昧にしたまま夏休みを終え、秋(9月以降)の本格的な模試シーズンを迎えてしまうとどうなるでしょうか?

【英語を後回しにした受験生が陥る最悪の共倒れシナリオ】

  1. 秋の模試で英語の長文がまったく解けず、偏差値が急落して焦る。
  2. 慌てて9月・10月から「中1・中2の文法と単語」を必死に復習し始める。
  3. その結果、一番点数が伸びやすいはずの「理科・社会の総仕上げ」や「数学の入試応用対策」に割くべき時間が一気になくなる。
  4. 英語の点数もすぐには上がらず、理社も伸び悩み、結果として全教科が中途半端になって共倒れする。

この最悪のシナリオを回避するための方法が、「理科や社会は秋からでも爆伸びするから、今は後回しでいい。だからこそ、時間がかかる英語を夏休みまでにカタにハメておく」という先手必勝の戦略なのです。


2. 保護者の方が抱く「英語対策への3つの不安」を解消する

この記事を読まれている親御さんの中には、お子さんの英語の成績を見て、どうサポートすべきか夜も眠れないほど悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に多く寄せられる3つの不安について、明確な回答を示します。

不安①:「塾の夏期講習で英語のクラスを上げれば解決する?」

「英語が苦手だから、大手の夏期講習で応用長文クラスや難関対策講座に入れた方がいいのでは」と考える親御さんがいますが、これは逆効果です。

集団塾の夏期講習は、あらかじめ決められたカリキュラムに沿って進むため、「中1の文法のどこにつまずいているか」まで一人ひとりに合わせてさかのぼってはくれません。

基礎が抜けたまま難しい長文を解かされ続けると、英語への苦手意識がさらに強まり、高い月謝が無駄になってしまいます。夏までは「塾の授業」よりも「個別具体的な基礎の穴埋め」が先決です。

不安②:「長文読解の練習をたくさんさせないと入試に間に合わない?」

公立高校入試の英語はどこも長文読解がメインですが、だからといって今から長文をたくさん読ませる必要はありません。
長文が読めないのは、読むセンスがないのではなく、単に「長文を構成している単語の意味がわからない」「文法のルール(語順)を知らないから、脳内で日本語に変換できない」という基礎の欠如が原因です。

単語と文法という土台がない状態で長文を読ませるのは、ルールを知らないのに試合に出されるようなもの。焦らず、まずは土台作りに集中させてあげてください。

不安③:「うちの子、英語の勉強を始めるとすぐにフリーズしてしまうのですが……」

英語は「わからない単語や文法」が1ページのなかに5個も10個もあると、脳が拒絶反応を起こして勉強がストップしてしまいます。お子さんがフリーズしているなら、それは教材のレベルが高すぎるサインです。


親が闇雲に「勉強しなさい!」と怒るのではなく、お子さんが「これなら自力で解ける、意味がわかる」というレベルまで教材の難易度を下げ、環境を整えてあげることが、保護者にできる最大のサポートです。


3. 夏休みまでにやるべき「英語の基礎固め」具体的な2つのアプローチ

「英語の基礎を固める」という目標が決まったら、やるべきことを極限までシンプルに絞り込みましょう。あれもこれもと手を広げる必要はありません。夏休みが終わるまでに、以下の2つの要素だけを徹底的にマスターします。

① 教科書レベルの「基本単語」を1秒で言える状態にする

高校入試の英語長文を攻略するための最重要課題は、スペルを完璧に書くことではなく、「見たら1秒で日本語の意味が浮かぶ単語を増やすこと」です。
中1から中3の前半までに習う教科書レベルの重要単語(約1,200〜1,500語)を総復習しましょう。単語の意味さえ分かれば、文法が多少あやふやでも、長文全体のストーリーを正しく推測できるようになります。

▼ 高校入試に必要な単語を効率よく網羅できる定番の単語帳
単語帳は、あれこれ何冊も買う必要はありません。以下のリンクから定評のある1冊を選び、夏休みまでに最低3周して「見たら意味がわかる」状態を目指しましょう。


② 中1〜中3前半までの「基本文法」の徹底的な総復習

英語の長文をパズルのように正確に読み解くための「ルール」が文法です。
入試の長文読解で形を変えて何度も何度も登場する、特に重要な以下の4大単元を最優先で復習してください。

  • 不規則動詞の変化: go - went - gonetake - took - taken など。ここが曖昧だと、過去形なのか過去分詞(受け身や現在完了)なのかを瞬時に見分けられません。
  • 不定詞と動名詞: to + 動詞の原形動詞-ing の使い分け。長文の中で「〜すること」「〜するための」という意味を瞬時に見抜く骨組みになります。
  • 受け身(受動態): be動詞 + 過去分詞 の形。「〜される」という表現は、入試長文の物語文や説明文で頻出します。
  • 比較: 原級(as~as)比較級(-er / more)最上級(-est / most)。表やグラフの読み取り問題と絡めて必ず出題されます。

これらを復習する際は、分厚い参考書ではなく、パラパラとめくれて2週間程度で1周できる「薄い文法問題集」を選ぶのが挫折しないコツです。



4. 【朗報】基礎さえあれば、リスニングは年末からの対策で100%間に合う!

受験生やその保護者の方から非常によく受けるのが、以下のような相談です。
「英語のリスニングが壊滅的です。今から毎日、英語のCDやニュースを聴かせた方がいいでしょうか?」

結論から申し上げます。焦って今からリスニング特化の対策(過去問を聴く、CDを流し聞きするなど)をする必要はありません。

なぜなら、リスニングが聞き取れない本当の理由は、耳の良し悪しやリスニングの慣れではなく、「流れてきた単語の意味を知らないから」、あるいは「文法のルール(語順)が頭に入っていないため、流れてくるスピードで英文を左から右へ理解できないから」です。

  • 「単語」の意味がパッと浮かぶ
  • 「文法」の語順のまま意味が理解できる
    この2つの土台が揃って初めて、耳から入ってきた英語の「音」が、脳内で「意味のある言葉」として変換されます。

つまり、今から夏休みにかけて単語と文法(=英語の基礎)を徹底的に固めておくこと自体が、実は最強のリスニング対策になっているのです。

土台さえできてしまえば、あとは年末(12月〜1月頃)から各都道府県の過去問やリスニング問題集を使い、「入試独特のスピードと設問の形式に耳を慣らすトレーニング」を1〜2ヶ月行うだけで、一気に満点近くまで点数を跳ね上げることができます。

今は焦って耳を鍛えようとせず、じっくりと「読むための、理解するための土台」を強固にしていきましょう。


5. 夏休み終了までに「英語の基礎」を完成させる黄金スケジュール

「よし、英語の基礎をやろう!」と決めても、無計画に進めると中だるみして夏休みが終わってしまいます。
ここでは、無理がなく、かつ確実に英語の単語と文法が仕上がる「黄金のスケジュール計画テンプレート」を提案します。ぜひ、今日からの勉強計画にそのまま取り入れてみてください。

【1日の流れ】効率を最大化する時間配分ルーティン

脳科学的に、午前中は脳が最もクリアで、思考力や新しい知識の吸収に適しています。英語や数学は午前中のうちに片付けるのが鉄則です。中3受験期であれば、休みの日は1日6時間目安で勉強しましょう!

  • 09:00〜10:30【英語(単語+文法)】: 1日のスタートは英語から。前日の単語の復習と、薄い文法ワークを2〜3ページ進めます。
  • 10:30〜12:00【数学(計算・関数基礎)】: 頭が最も働く時間に、自力で手を動かす演習を行います。
  • 昼休憩・リフレッシュ
  • 13:30〜15:30【理科または社会】: 教科書を読んだり、一問一答で基本用語の確認をします。
  • 15:30〜16:30【国語・暗記の総仕上げ】: 1日の締めくくりは、漢字や語彙など軽めの暗記で「今日もやりきった!」という達成感を出して終了します。

6. まとめ

中3の今の時期だからこそ、『英語の基礎』を抑える絶好のチャンスです!

  • 理科や社会は秋からでも爆伸びする(即効性)が、英語は今からやらないと秋に間に合わない(遅効性)
  • 夏休みまでの目標は「教科書レベルの基本単語」と「中1〜中3前半の基本文法」の2つだけ!
  • 基礎さえあれば、リスニングは年末からの対策で100%間に合うので焦らなくてOK

「5教科すべてをバランスよく」という耳当たりの良い言葉に騙されてはいけません。受験は戦略です。
今、この初夏の段階で英語の基礎から逃げずに立ち向かい、土台を完成させておくことが、結果的に秋のあなたを救い、理科や社会で大逆転するための圧倒的な時間を生み出すことになります。

まずは今日、ネットで定評のある薄い総復習教材を1冊注文することから、合格への第一歩を踏み出してみませんか?

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▼ 以下に公立高校入試過去問をまとめています。是非、受験勉強に活用してください!

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この記事を書いた人

公立進学校から東北大学理学部へ進学。学部卒。
プロ家庭教師、塾講師経験のある40代。
子供は中学生一人。
2026年9月に吉原ビジネスデザイン研究所(YBDL)を開業
2026年10月から「よしわら塾」を開業予定!

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