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この記事は、47都道府県の教育委員会が公表している令和9年度(2027年2月・3月)入試の資料を、当サイトで1県ずつ読んでまとめたものです。県名と数字は、公式資料で確認できたものだけを書いています。
「公立高校の入試問題は、どこの都道府県でも同じですか?」とよく聞かれます。答えは「いいえ」です。問題は都道府県ごとに別々に作られています。このページでは、その違いを47都道府県分そろえて比べます。
1. 「公立高校入試」という同じ名前の、47通りの試験
公立高校入試は、都道府県ごとにまったく別の試験だと考えたほうが正確です。問題が違うだけではありません。配点も、検査時間も、内申点の計算も、合否の決めかたも違います。
当サイトでは47都道府県すべての公式資料を読んで、1県ずつ記事にしました。その作業で分かった「本当に違うところ」を、この記事にまとめます。
2. 学力検査の配点は「50点」から「100点」まで幅があります
5教科という点は共通ですが、1教科あたりの満点は県によって違います。
| 1教科の配点 | 県の例 | 5教科の合計 |
|---|---|---|
| 50点 | 山口県・島根県 | 250点 |
| 60点 | 大分県 | 300点 |
| 70点 | 岡山県 | 350点 |
| 100点 | 多くの県(東京・千葉・茨城・群馬・山形など) | 500点 |
1教科50点の県では、1問の重みが100点満点の県の2倍になります。ケアレスミス1つの痛さが違うということです。
「あと10点」の意味も県によって変わります。500点満点での10点と、250点満点での10点は別ものです。
3. 検査時間も同じではありません
| 特徴 | 県の例 |
|---|---|
| 全教科50分 | 多くの県 |
| 1教科45分 | 岡山県(全国でもっとも短い部類) |
| 国語・数学・英語が60分、社会・理科が50分 | 秋田県 |
| 英語だけ60分 | 千葉県 |
| 国語だけ55分(作文を含む) | 徳島県 |
| 英語は50分のうち15分が聞き取り | 茨城県(筆記は35分) |
50分に慣れた問題集で練習していると、45分の県では5分足りません。過去問は必ず、自分の県の時間で計って解いてください。
4. 調査書(内申点)の計算は、県ごとにまったく違います
ここがいちばん差の大きいところです。同じ通知表でも、県によって使われかたが変わります。
| タイプ | 中身 | 県の例 |
|---|---|---|
| 中3だけ | 中3の9教科の評定だけを使う | 山形県・福井県 |
| 3学年が同じ重み | 中1から中3まで等しく足す | 愛媛県(135点満点と要項に明記) |
| 中3を2倍 | 中1+中2+中3×2 | 石川県・熊本県 |
| 実技4教科を2倍 | 5教科+実技4教科×2 | 徳島県(195点満点)・秋田県(調整評定値)・福島県(195点満点) |
| 中3の実技を3倍・4倍 | 重ねがけで実技が極端に重くなる | 岡山県(3倍・200点満点)・大分県(4倍) |
| 学年ごとに倍率が変わる | 1年→2年→3年で倍率が上がる | 岩手県(中3の実技は9倍。660点を500点に圧縮) |
| 学校が比率を選ぶ | 県が用意した選択肢から高校が選ぶ | 埼玉県(1:1:1/1:1:2/1:1:3) |
「実技4教科を捨てる」が通用しない県が、かなりあります。徳島県は195点のうち120点、福島県も195点のうち120点が実技4教科です。
岡山県では中3の実技4教科の評定1つが3点ぶん、大分県では4点ぶんになります。
5. 「内申と当日点の比率」を決めるのは、県か、学校か
これも分かれます。県がひとつに決めている県と、学校ごとに選ばせる県があります。
| 決めかた | 中身 | 県の例 |
|---|---|---|
| 県が決める | 「調査書と学力検査は同等に扱う」と大綱に明記 | 山口県 |
| 学校が選ぶ(比率) | 3:7〜7:3など、決められた選択肢から | 山形県(5通り)・岩手県(5通り)・大分県(3:7/4:6/5:5) |
| 学校が選ぶ(係数) | 調査書の合計に係数を掛ける | 千葉県(K=0.5〜2) |
| 学校が選ぶ(計算式) | 県が式を公開し、学校が比率を入れる | 神奈川県(S1=a×f+b×g) |
| 学科ごとに公表 | 学科単位で比重が違う | 沖縄県(5:5/4.5:5.5/4:6) |
千葉県のKが2の高校と0.5の高校では、同じ内申の価値が4倍変わります。
神奈川県は合否の計算式そのものを公開しているので、自分で計算できます。
まず志望校の資料を見ないと、何を伸ばせばいいかは決まりません。
6. 合否の決めかたにも、いくつかの型があります
| 型 | しくみ | 県の例 |
|---|---|---|
| 合計点で並べる | 資料を全部得点化して合計する | 千葉県・神奈川県など |
| 相関表 | 内申と当日点を2つの軸に取った表で判断 | 秋田県・岡山県・徳島県・北海道 |
| 群分け・A群B群 | 2つの順位が両方とも上位の人から決める | 青森県・茨城県 |
| 段階に分けて選ぶ | 枠ごとに重視する資料を変える | 愛媛県(第1選抜70%・第2選抜30%)・群馬県(特色型・総合型) |
| 前段・後段 | 第一志願者だけ先に見る | 山口県 |
相関表や群分けの県では、「合計であと何点」という考え方が当てはまりません。片方だけを伸ばしても、もう片方の順位が足りなければ先に決まる枠には入れないからです。
7. 令和9年度から制度が変わる県があります
いま中学3年生の人が受ける入試から変わる県です。去年までの情報で準備すると足りません。
- 埼玉県…共通選抜と特色選抜に分かれ、全受検生に面接、学力検査はマークシートと記述式の併用
- 千葉県…マーク式と記述式の併用。学校設定検査「思考力を問う問題」を実施しない
- 福井県…デジタル採点を導入(国語・英語・理科・社会。数学は令和10年度から)
- 京都府…前期選抜と中期選抜を前期選抜に一本化(独自枠・共通枠)
- 栃木県…1回の学力検査を2つの選抜で使う方式に
- 新潟県…特色化選抜を廃止し、学校設定枠を新設
- 大分県…推薦A・Bを廃止し、自己推薦型入学者選抜を新設
- 群馬県…調査書から「出欠席の記録」を削除
8. 自分の都道府県の記事を読む
47都道府県すべてについて、県教育委員会の公式資料だけを根拠にした記事を用意しています。配点、調査書の計算、選抜の種類、令和9年度の日程、科目別の傾向まで書いてあります。
| 地方 | 都道府県(📄は公式の過去問リンク集あり) |
|---|---|
| 北海道・東北 | 北海道 📄 青森県 📄 岩手県 宮城県 📄 秋田県 📄 山形県 福島県 |
| 関東 | 茨城県 栃木県 群馬県 📄 埼玉県 📄 千葉県 東京都 📄 神奈川県 📄 |
| 中部 | 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 📄 岐阜県 📄 静岡県 📄 愛知県 📄 |
| 近畿 | 三重県 📄 滋賀県 📄 京都府 📄 大阪府 📄 兵庫県 奈良県 📄 和歌山県 📄 |
| 中国・四国 | 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 📄 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 📄 |
| 九州・沖縄 | 福岡県 📄 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 |
📄が付いている県は、公式が学力検査の問題や正答を公開しています。年度ごとの置き場所は 公立高校入試の過去問|都道府県別リンク集 にまとめました。
まずやってほしいのは、志望校の資料を1つ開くことです。「県の制度」だけでは足りません。
比率も、傾斜配点も、面接の有無も、学校・学科ごとに公表されています。そこを見ないまま勉強の配分を決めると、大きく外します。
9. 他県の過去問を使うときに気をつけること
自分の県の過去問を解き終えたら、他県の問題を使う手はあります。ただし制度が違うぶん、そのまま使えない部分があります。
- 配点が違います。50点満点の県の問題を100点満点のつもりで解くと、感覚がずれます
- 時間が違います。45分の県と60分の県があります。時間は自分の県に合わせてください
- 使いやすいのは「大問1の小問集合」です。計算や基本問題は、どの県でも似た形で出ます
- 英語のリスニングと国語の漢字・語彙も、県をまたいで使いやすい部分です
優先順位は、いつでも自分の県の過去問がいちばんです。他県の問題は、足りないぶんを補うために使ってください。
10. 過去問の分析に使える教材
【超おすすめ!】全国高校入試分野別過去問+分析ノートで効率アップ
- 全国の公立高校入試過去問集(分野別)⇒売り切れる前に購入しましょう!
- 分析用ノート(教科別に整理できるタイプ)
分野別の過去問集が向いている理由
- 同じ単元を、いろいろな県の出しかたで続けて解けます。自分の県の1年分だけでは足りない練習量を補えます
- 記述問題だけを集めて解くという使い方ができます。県によって記述の量はかなり違うので、練習量を自分で調整できます
- 優先順位は、いつでも自分の県の過去問がいちばんです。分野別は、足りないぶんを補うために使ってください
まとめ:自分の県のしくみを知ることが、いちばん早い近道です
- 配点も、検査時間も、調査書の計算も、合否の決めかたも県ごとに違う
- 比率や傾斜配点は、学校・学科ごとに公表されている。県の制度だけ見ても足りない
- 他県の過去問は、大問1の小問集合・英語のリスニング・国語の漢字語彙が使いやすい
- 令和9年度から制度が変わる県がある(埼玉・千葉・福井・京都・栃木・新潟・大分・群馬)
過去問は「解く」だけでなく「自分の県のしくみに当てはめて考える」ことで、はじめて意味を持ちます。まずは志望校の資料を1つ開いてください。
県ごとに出るものが違うなら、覚えるものも県ごとに変わります。当サイトでは、都道府県ごとの過去問を分析してつくった一問一答&両面暗記カード(PDF)を用意しています。16都道県は県別版、それ以外は全国版があります。
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