【高校入試】箱ひげ図は5分で思い出せる|四分位数の出し方と、よく出る4つの問われ方

高校入試 数学・データの活用。箱ひげ図は5分で思い出せる。四分位数の出し方と、入試でよく出る4つの問われ方

「箱ひげ図、習ったはずなのに模試で手が止まった」——中3の秋にいちばん多い声のひとつです。

箱ひげ図と四分位数が中学校の学習指導要領に入ったのは、2021年度(令和3年度)からです。それ以前に中学生だった保護者の方は習っていないため、家で聞いても答えが返ってこないことがあります。習う時期も中2の後半〜中3の前半で、入試のころには記憶が薄れがちです。

ですが、この単元は「思い出せば取れる」問題がほとんどです。計算はほとんどなく、覚えることも多くありません。この記事では、5分で思い出して、次の実力テスト・模試で得点に変えることを目標にします。

当サイトが16都道県の公立高校入試(令和4〜8年度)を調べたところ、箱ひげ図・四分位数は16都道県すべてで出ていました。どの県で受けるにしても、捨てられない単元です(県ごとの出題年度はこの記事の後半にまとめました)。

🔑 5分で思い出す必殺技(箱ひげ図)

  1. 見るのは5つの数だけ:最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値。箱の中におよそ半分、左右のひげにおよそ4分の1ずつが入っている
  2. 四分位数は「まん中で分けて、それぞれのまん中」:データが奇数個なら、まん中の1個(中央値)は下半分にも上半分にも入れない。偶数個なら、ちょうど半分ずつに分かれる(中央値はまん中の2つの平均)
  3. 四分位範囲 = 第3四分位数 − 第1四分位数(箱の横幅)。箱ひげ図から平均値・山の数・ひとりひとりの値は読めない

くわしくは下の2章(奇数個・偶数個の例)と5章(よく問われる4つの形)へ。度数分布表・相対度数は → 相対度数は割り算1回

目次

1. まず結論:見るのは「5つの数」だけ

箱ひげ図は、データを小さい順に並べて、5つの数で表した図です。この5つが読めれば、入試問題の大半は解けます。

箱ひげ図の5つの数 左から最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数、最大値の位置を示した箱ひげ図 0 5 10 15 20 25 最小値 第1四分位数 中央値 (第2四分位数) 第3四分位数 最大値 四分位範囲(箱の横幅)

覚えることは、次の1行だけです。

箱の中にデータのおよそ半分、ひげの部分に残りの半分(左に約4分の1、右に約4分の1)が入っている。

「およそ」と書いたのは、同じ値が重なるとぴったり半分にならないことがあるためです。入試では「約半分」で判断して構いません。

2. いちばんのつまずき:データが奇数個のとき・偶数個のとき

ここでつまずく人がいちばん多いところです。やることは2段階だけです。

  1. データを小さい順に並べて、まん中で中央値を決める
  2. 中央値で下半分・上半分に分け、それぞれのまん中を第1四分位数・第3四分位数にする

🔴 このとき、データが奇数個なら、まん中の1個は下半分にも上半分にも入れません。ここが分かれ目です。

奇数個のとき(9個の例)

ある中学校の9人に「1か月に読んだ本の冊数」をたずねたところ、小さい順に次のようになりました。

9個のデータを四分位数で分ける 1、2、2、3、4、5、5、7、9 の9個を、まん中の4を除いて下半分と上半分に分ける図 1223 4 5579 下半分(4個) 中央値 4 半分に入れない 上半分(4個) まん中 → 第1四分位数 2 まん中 → 第3四分位数 6
  • 中央値…9個のまん中は5番目なので 4
  • 第1四分位数…下半分は 1, 2, 2, 3 の4個。まん中は2番目と3番目の平均で (2+2)÷2 = 2
  • 第3四分位数…上半分は 5, 5, 7, 9 の4個。(5+7)÷2 = 6
  • 四分位範囲…6 − 2 = 4

偶数個のとき(10個の例)

今度は10人に「家から学校までの通学時間(分)」をたずねた場合です。

10個のデータを四分位数で分ける 5、7、8、10、12、14、15、18、20、25 の10個を、まん中で下半分5個と上半分5個に分ける図 57 8 1012 1415 18 2025 下半分(5個) 上半分(5個) まん中 → 第1四分位数 8 まん中 → 第3四分位数 18 ここで半分に分ける
  • 中央値…10個のまん中は5番目と6番目の平均で (12+14)÷2 = 13
  • 第1四分位数…下半分は 5, 7, 8, 10, 12 の5個。まん中の 8
  • 第3四分位数…上半分は 14, 15, 18, 20, 25 の5個。まん中の 18
  • 四分位範囲…18 − 8 = 10

まとめると
・奇数個…まん中の1個は、下半分にも上半分にも入れない
・偶数個…ちょうど半分ずつに分かれる

※ 高校の「数学I」では、四分位数を別の求め方で定義することがあります。高校入試で使うのは、上に書いた中学校の求め方です。

3. 四分位範囲は「箱の横幅」。平均より強いことがあります

四分位範囲 = 第3四分位数 − 第1四分位数。図でいえば、箱の横幅です。

これは「まん中に集まっている半分が、どれくらい散らばっているか」を表します。いちばん大きい値やいちばん小さい値が極端でも、四分位範囲はほとんど動きません。たとえば通学時間の例で、25分の人が1人だけ90分になっても、第1四分位数と第3四分位数は変わらないので、四分位範囲も10のままです。

入試では、この性質をついて「平均値では分からないが、四分位範囲を使えば説明できる」という形で問われます。

4. ヒストグラムと見くらべる

同じデータを、ヒストグラム(柱状グラフ)と箱ひげ図で並べると、つながりが見えます。

同じデータのヒストグラムと箱ひげ図 左に山があり右に長いすそを持つヒストグラムと、その下に対応する箱ひげ図を並べた図 ヒストグラム(度数分布) 同じデータの箱ひげ図 山が左に寄っているので、箱も左に寄り、右のひげが長くなります

※ ヒストグラムからは、最小値・最大値の正確な値は読めません(いちばん左・いちばん右の区間のどこか、としか分かりません)。この図では、区間の端に置いています。

山がかたよっていると、箱もその側に寄り、反対側のひげが長くなります。逆にいえば、ひげの長さを見るだけで「データがどちらに散らばっているか」が分かります。

⚠ ただし箱ひげ図からは、山がいくつあるかは分かりません。「山が2つある」ようなデータでも、箱ひげ図は1つの箱になります。入試で「箱ひげ図から言えることを選べ」と問われたときの、ひっかけどころです。

5. 入試でよく問われる4つの形

当サイトが16都道県の入試を調べたかぎり、問われ方はおおむね次の4つに収まります。

形問われ方やること
①読む箱ひげ図から中央値・最大値などを答える5つの数の位置を覚えておくだけ
②計算する四分位範囲を求める第3四分位数 − 第1四分位数
③くらべる2つ(または3つ)の箱ひげ図を見くらべて選ぶ中央値の位置と箱の幅を見る
④言えるか判断する「この図から言えることを選べ」平均値・山の数・個々の値は読めないと知っておく

🔴 ④で落とす人がいちばん多いです。箱ひげ図から読めないものを、はっきり覚えておきましょう。

  • 平均値は読めません(中央値とは別のものです)
  • 山がいくつあるかは読めません
  • ひとりひとりの値は読めません(最小値・最大値をのぞく)
  • データの個数も読めません

逆に、読めるものは「5つの数」と、そこから計算できる四分位範囲・範囲(最大値−最小値)、そして「箱に約半分が入る」という割合の話だけです。

6. 練習問題(3問)

当サイトが作ったオリジナル問題です。手を動かして確かめてください。

問題1(奇数個)

7人の生徒が1週間に読んだ本の冊数は、次のとおりでした。
0, 1, 1, 2, 4, 4, 7
第1四分位数、中央値、第3四分位数、四分位範囲をそれぞれ求めなさい。

問題2(偶数個)

8人の生徒の、ある日の睡眠時間(時間)は次のとおりでした。
5, 6, 6, 7, 7, 8, 8, 9
四分位範囲を求めなさい。

問題3(くらべる・判断する)

A組とB組で同じテストを行い、箱ひげ図にまとめました。A組は中央値が60点で箱の幅が10点、B組は中央値が55点で箱の幅が30点でした。次のうち、この2つの箱ひげ図から確実に言えるものをすべて選びなさい。

  • ア A組のほうが、まん中あたりの得点のばらつきが小さい
  • イ A組の平均点は、B組の平均点より高い
  • ウ A組には、60点の生徒が必ずいる
  • エ B組には、A組のどの生徒よりも点数の高い生徒がいるかもしれない

解答

問題1 7個なので、まん中の4番目「2」が中央値。下半分は 0, 1, 1 でまん中は 1(第1四分位数)。上半分は 4, 4, 7 でまん中は 4(第3四分位数)。
→ 第1四分位数 1/中央値 2/第3四分位数 4/四分位範囲 4 − 1 = 3

問題2 8個なので、ちょうど半分ずつに分かれます。下半分は 5, 6, 6, 7 でまん中は (6+6)÷2 = 6。上半分は 7, 8, 8, 9 でまん中は (8+8)÷2 = 8。
→ 四分位範囲 8 − 6 = 2

問題3 ア と エ。
ア…箱の幅がそのまま四分位範囲なので、10点のA組のほうがばらつきは小さいです。
イ…平均値は箱ひげ図から読めません。中央値が高くても、平均値が高いとはかぎりません。
ウ…中央値が60点でも、データが偶数個なら60点の生徒がいないことがあります(59点と61点の平均が60点、など)。
エ…最大値の情報がないので、「いるかもしれない」は否定できません(「いるかもしれない」は「いない、とは言い切れない」という意味です)。

7. どの県で出ているか(16都道県・令和4〜8年度)

当サイトが教材づくりのために、16都道県の公立高校入試(令和4〜8年度の学力検査)を調べた結果です。箱ひげ図・四分位数にふれる出題が、16都道県すべてで見つかりました。

都道県出題が見つかった年度
北海道2024・2025
青森県2026
宮城県2024
秋田県2023〜2026
群馬県2024〜2026
埼玉県2024〜2026
東京都2022〜2026
神奈川県2024〜2026
長野県2023〜2026
愛知県2023〜2026
滋賀県2022〜2026
奈良県2024〜2026
和歌山県2022〜2026
広島県2023〜2026
高知県2023〜2026
福岡県2024〜2026

※ 年度は、当サイトの教材づくりで確認できた範囲です。表にない年度に出題がなかったことを示すものではありません。問題文・図は載せていません(各都道県の教育委員会が公開しているものをご覧ください)。「都道県」と書いているのは、北海道・東京都と県が混ざっているためです。

自分の都道府県の過去問がどこで手に入るかは、公立高校入試の過去問|都道府県別リンク集にまとめています。

まとめ|思い出すのに、5分あれば足ります

  • 見るのは5つの数。箱の中におよそ半分が入る
  • 奇数個ならまん中の1個を半分に入れない。偶数個ならちょうど半分ずつ
  • 四分位範囲は箱の横幅。極端な値に動かされにくい
  • 箱ひげ図から平均値・山の数・ひとりひとりの値は読めない

当研究所が運営する学習塾でも、「本当は難しくないのに、忘れていて得点を逃す」生徒が目立ちます。箱ひげ図はその代表です。逆にいえば、思い出すだけで戻せる点数が、ここにあります。

まず無料で力だめしをしたい方は → 入試に出る4択100問(無料・5教科・メールアドレスだけで受け取れます)

この記事のような「思い出せば取れる」知識を、5教科ぶんまとめて確認したい方は、一問一答&暗記カードをご覧ください。都道府県別の版と全国版があります。

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この記事を書いた人

公立進学校から東北大学理学部へ進学。学部卒。
プロ家庭教師、塾講師経験のある40代。
子供は中学生一人。
2026年9月に吉原ビジネスデザイン研究所(YBDL)を開業
2026年10月に「よしわら塾」を開業しました!

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