【中3の9月下旬から】分野別過去問の「仕分け」|得意を伸ばす分野・弱点を減らす分野の決め方

中3の9月下旬から 分野別過去問は仕分けで差がつく A・B・C の3つに分け、目標点別に時間を配る

入試まで、あと5か月ほど。この時期に「分野別過去問」を手に入れた人が、いちばん迷うのはここだと思います。

得意な分野をもっと伸ばすのか。苦手な分野を先につぶすのか。

どちらも正しく聞こえます。ただ、残り時間は決まっています。この記事では、解いたあとの仕分けのしかたと、目標点別の時間の配りかたを書きます。分野別過去問そのものの選び方は、すでに別の記事にあります(→ 分野別過去問で得点を跳ね上げる勉強法)。

目次

分野別過去問は「解く」より「仕分け」で差がつく

分野別過去問の良いところは、同じ形式の問題が続けて並んでいることです。年度別と違って、1回の演習で「この分野が今どうなっているか」がはっきり出ます。

ところが、多くの人は丸つけをして、間違えた問題に印を付けて終わりにします。これだと「どの分野に、これからの時間を使うか」が決まりません。仕分けは3分で終わります。

解いたら、3つの箱に分ける

丸つけのあと、間違えた問題だけをその場で解き直します。答えは見ません。そのうえで、分野ごとに次の3つに分けてください。

A:取れている分野

8割以上とれた。間違えたのは読み違い・計算違いだけ。
今は触らない。2週間後にもう1回だけ解いて、落ちていないか確かめます。

B:あと一歩の分野

半分くらいとれた。または、解き直したら自力で解けた問題が多かった。
ここが、いちばん点になります。知識やコツの抜けが少しあるだけなので、埋めればすぐ上がります。

C:手が出ない分野

ほとんど手が動かない。解き直しても解けない。解説を読んでも、途中から分からない。
分野別過去問では解きません。教科書か基礎の問題集に戻る分野です。いま過去問で粘っても時間だけが減ります。

分け方の基準は、「解き直しで自力に戻せたか」です。正答率だけで決めると、まぐれ当たりの分野がAに入ってしまいます。

時間の配りかたは、目標点で変わります

5教科合計の目標点で、BとCの扱いが変わります。下の比率は目安です。公式に決まっているものではありませんので、模試の結果や残り時間に合わせて動かしてください。

目標 200〜250点

Cが多くて当たり前です。Bの分野と、Cのうち「基礎に戻れば届く分野」だけに絞ってください。目安は、B:Cの基礎戻し=6:4。Aは月1回の確認で十分です。手をつけない分野があってかまいません。全部に触ると、全部が中途半端になります。

目標 300点前後

Bが主役です。目安は B:C=7:3。Cは「出題が多い分野」に限って基礎に戻ります(どれが多いかは次の章のデータで決められます)。得意分野(A)を伸ばすのは、この点数帯ではあと回しでかまいません。伸びしろが小さいからです。

目標 400点以上

ここで初めてAを伸ばす価値が出ます。目安は A:B:C=3:5:2。Aの分野は、正答率ではなく「最後の1問」を取りにいきます。Cは、後回しにする分野を決めるのもこの時期です。そのかわりBは取りこぼしをゼロにします。

目標点ごとの5教科の優先順位は、こちらにまとめています。
【中3の秋】9〜11月にやるべきこと|目標点別・5教科の優先順位

どの分野から手を付けるか(16都道県の出題データ)

同じ「1分野」でも、入試で問われる回数は違います。過去問と正答が公表されている16都道県(北海道・青森・秋田・宮城・群馬・埼玉・東京・神奈川・長野・滋賀・奈良・和歌山・広島・高知・福岡・愛知)の令和4〜8年度の入試を分析し、1つの内容を何都道県が問うたかを数えました。

下の表は、「10都道県以上が問うた内容」の割合が高い単元です。BやCが複数あって迷ったら、ここに入っている分野を先にしてください。

教科先に手を付けたい分野(10都道県以上が問うた内容の割合)
英語頻出語彙・語形変化(74%)/熟語・連語と動詞の表現(47%)/分詞・関係代名詞(33%)
数学正負の数と式の計算(35%)/平方根(35%)/方程式とその利用(29%)/データの分布と標本調査(29%)
理科大地の成り立ちと変化(35%)/気象とその変化(32%)/運動とエネルギー(31%)/力と圧力(30%)
社会二度の大戦と現代(36%)/経済のしくみと財政(24%)/政治のしくみ(23%)
国語歴史的仮名遣いと古語(43%)/敬語と言葉遣い(40%)/品詞と用言の活用(24%)
過去問と正答が公表されている16都道県の令和4〜8年度を分析(当サイト調べ)

読み取れることが3つあります。

英語は語彙です。語彙の内容は、74%が10都道県以上で問われていました。文法をひととおりやったのに点が伸びない人は、たいていここが抜けています。

数学は、前半の計算分野の密度が高いです。「応用問題ができない」と悩む前に、正負の数・平方根・方程式の取りこぼしをゼロにするほうが、同じ時間で点が増えます。

国語と社会は、暗記で確実に埋まる分野が上位です。歴史的仮名遣い・敬語・近現代史は、読解力や思考力より先に、覚えているかどうかで決まります。Cに入れてはいけない分野です。

逆に、関数の利用とグラフの読みとり・条件作文・場面別の会話表現などは、10都道県以上で問われた内容の割合が10%を切ります。出ないという意味ではなく、県ごとの色が出やすい分野です。ここは自分の県の過去問で確かめてください。
公立高校入試の過去問|都道府県別リンク集

1週間の回しかた(例)

分野別過去問は、1回にまとめてやるより、分けて何度も戻るほうが残ります。

  • 平日:B の分野を1日1つ。15〜20分。前回間違えた問題から始める
  • 平日のすきま:A の分野の知識確認(一問一答やアプリで5分)
  • 休日:C の基礎戻しを1つ。教科書・基礎問題集で30〜40分
  • 2週間に1回:A の分野を1回だけ解いて、落ちていないか確かめる

1つの分野は、最低2回は解いてください。1回目は現状を知るため、2回目は身についたかを確かめるためです。2回目で自力で解けたら、その分野はAへ移します。

入試当日までの全体の流れは、こちらにまとめています。
秋以降の過去問フル活用ロードマップ

「知識が足りない」のか「解き方が分からない」のか

Bの分野でつまずくとき、原因は2つに分かれます。ここを取りちがえると、時間が消えます。

  • 用語・公式・きまりが出てこない → 知識の不足です。分野別過去問を続けても埋まりません。まとめ教材や一問一答で先に入れてください
  • 知識は言えるのに、手順が組み立てられない → 解き方の不足です。ここは演習の回数が効きます。解説を読んだら、必ず何も見ずにもう一度、最初から解いてください

見分け方は簡単です。解答を見て「ああ、これか」と思えたら解き方の不足解答を読んでも用語の意味が曖昧なら知識の不足です。

道具(無料で使えるもの)

仕分けに使えるものを、こちらで用意しています。どれも登録なし、または無料です。

  • 入試に出る4択100問(無料)……5教科各20問。1教科5分で、どの教科が弱いかの当たりが付きます。仕分けの前の「ざっくり診断」に
  • 5教科 要点&公式まとめ(無料PDF・140項目)……公式・きまり・用語を単元ごとに1ページずつ。Bの分野の「知識の抜け」を埋めるのに使えます
  • 一問一答&暗記カード……上の表と同じ分析から作った教材です。☆が「16都道県のうち何都道県が問うたか」をもとにした5段階(☆5=10都道県以上)なので、分野別過去問のBとCの優先順位づけにそのまま使えます

なお、この記事の数字と教材は、過去問の設問文や図版をそのまま使ったものではありません。問題文はすべて、学習指導要領の単元にもとづいて独自に書き起こしています。過去問は「何が、どれくらい問われているか」を調べるために使いました。

まとめ

  • 分野別過去問は、解いたあとの仕分けで差がつく。A(取れている)・B(あと一歩)・C(手が出ない)の3つに分ける
  • 分ける基準は正答率ではなく、解き直しで自力に戻せたか
  • 目標 200〜250点はBと「基礎に戻れるC」だけ、300点前後はBが主役、400点以上で初めてAを伸ばす
  • 迷ったら、16都道県で問われた回数が多い分野から。英語は語彙、数学は計算分野、国語・社会は暗記で埋まる分野が上位
  • Bのつまずきは「知識不足」か「解き方不足」かを見分けてから手を打つ

10月に入ると、模試と定期テストで予定が埋まります。仕分けは、今週のうちに1回やっておくと、そのあとの2か月が楽になります。

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この記事を書いた人

公立進学校から東北大学理学部へ進学。学部卒。
プロ家庭教師、塾講師経験のある40代。
子供は中学生一人。
2026年9月に吉原ビジネスデザイン研究所(YBDL)を開業
2026年10月から「よしわら塾」を開業予定!

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