【高校入試】連立方程式の文章題は「表」で式が立つ|代金・速さ・割合の3つの型と答案の書き方

連立方程式の文章題は「表」で式が立つ。型① 代金の問題、型② 速さの問題、型③ 割合の問題。

連立方程式の文章題で手が止まるのは、計算ができないからではありません。解き方(加減法・代入法)は分かっているのに、式が立たないのです。

式が立たないときによくあるのが、問題文の数字を、頭の中だけで並べようとしていることです。数字が4つも5つも出てくる文章を、頭の中で式に組み立てるのは、誰にとっても難しいことです。

式を立てる前に、数量を「表」に書く。表の横の行1本が、そのまま式1本になります。

この記事では、入試の文章題でよく使われる代金・速さ・割合の3つの型を、同じ「表」の書き方で解きます。最後に、途中の式を書かせる問題で点を落とさない答案の書き方もまとめます。

目次

1. まず結論|文章題は「表 → 式 → 解く → 文章に戻す」の4つで終わる

  1. 何を x、y にするか決める(ふつうは、聞かれている2つの量)
  2. 表をかく。列に「2つのもの+合計」、行に「2種類の量」をとる
  3. 表の横の行を、1本ずつ式にする(行が2本なので、式も2本)
  4. 解いたら、答えを問題文に戻して確かめる

文字が2つなら、式も2本いります。表に「2種類の量」を書く理由はこれです。個数と代金、道のりと時間、先月と今月——同じものを別の見方で2回数えると、式が2本そろいます。

2. 型① 代金の問題|「個数」の行と「代金」の行

いちばん基本の形です。例として、次の問題を表にします。

例 1個80円のみかんと1個120円のりんごを、合わせて10個買ったところ、代金は1080円でした。みかんとりんごを、それぞれ何個買いましたか。

代金の問題を表にする(みかんとりんご) 列にみかん・りんご・合計、行に個数と代金をとった表。個数の行から x+y=10、代金の行から 80x+120y=1080 の2本の式ができることを示した図 1個80円のみかんと1個120円のりんご 合わせて10個・1080円 みかん りんご 合計 個数(個) x y 10 代金(円) 80x 120y 1080 → ① x+y=10 → ② 80x+120y=1080 横の行1本が、そのまま式1本になります(「合計」の列が式の右辺) 代金の行は「1個の値段 × 個数」。ますの中で先にかけておく

みかんを x 個、りんごを y 個とします。表の上の行(個数)から ① x+y=10、下の行(代金)から ② 80x+120y=1080 の2本が立ちます。

①を80倍して 80x+80y=800。②からこれをひくと 40y=280 で、y=7。①に入れて x=3。答えはみかん3個・りんご7個です。

この型は、代金のほかにも「1つあたりの量 × 数 = 合計」で表せるものなら、そのまま使えます。材料の重さ(1個に使う小麦粉◯g)、入場料(おとな1人◯円)、料金(1m³あたり◯円)なども、表の下の行が変わるだけです。

3. 型② 速さの問題|「道のり」の行と「時間」の行

速さの問題は、表の前に線分図を1本かくと、どこで速さが変わるのかがはっきりします。

例 A町からB町までの18kmを、はじめは時速4kmで歩き、途中から時速12kmの自転車に乗ったところ、全部で2時間30分かかりました。歩いた道のりと、自転車で進んだ道のりを求めなさい。

速さの問題を線分図と表にする(歩きと自転車) A町からB町までの18kmを、途中のPまで時速4kmで歩き、Pから時速12kmの自転車で進んだ線分図。下に、道のりと時間の2行の表と、そこからできる2本の式 A町 P B町 全部で 18km・2時間30分 x km 歩く(時速4km) y km 自転車(時速12km) 歩き 自転車 合計 道のり(km) x y 18 時間(時間) x/4 y/12 2.5 → ① x+y=18 → ② x/4+y/12=2.5 時間 = 道のり ÷ 速さ。2時間30分は 2.5時間(30分 = 0.5時間)

歩いた道のりを x km、自転車の道のりを y km とします。時間 = 道のり ÷ 速さなので、表の時間の行は x/4 と y/12。式は ① x+y=18、② x/4+y/12=2.5 です。

②の両辺を12倍すると 3x+y=30。ここから①をひくと 2x=12 で、x=6、y=12。答えは歩いた道のり6km・自転車12kmです。

🔴 「2時間30分」を 2.30 と書かない。30分は 30/60=0.5時間なので、2.5時間です。速さが「時速」なら時間は「時間」、「分速」なら「分」に。表の行の見出しに単位を書いておくと、そろえ忘れに気づけます。

4. 型③ 割合の問題|「前」の行と「後」の行

「◯%増えた」「◯%減った」の問題は、増える前と増えた後を2行にします。

例 ある店では、先月おにぎりとパンが合わせて300個売れました。今月は、先月とくらべておにぎりが10%増え、パンが20%減ったので、合わせて270個売れました。今月売れたおにぎりとパンは、それぞれ何個ですか。

割合の問題を表にする(先月と今月) 列におにぎり・パン・合計、行に先月と今月をとった表。10%増は1.1倍、20%減は0.8倍として、今月の行から 1.1x+0.8y=270 ができることを示した図 先月は合わせて300個。今月はおにぎり10%増・パン20%減で270個 おにぎり パン 合計 先月(個) x y 300 今月(個) 1.1x 0.8y 270 → ① x+y=300 → ② 1.1x+0.8y=270 おにぎりは 10%増 → ×1.1  パンは 20%減 → ×0.8 x・y は「先月」の個数。聞かれているのが今月なら、最後に 1.1x・0.8y を計算する

先月のおにぎりを x 個、パンを y 個とします。10%増は1.1倍、20%減は0.8倍なので、式は ① x+y=300、② 1.1x+0.8y=270。

②を10倍して 11x+8y=2700。①を8倍した 8x+8y=2400 をひくと 3x=300 で、x=100、y=200。

🔴 ここで「おにぎり100個・パン200個」と答えたら×です。x と y は先月の個数で、聞かれているのは今月。今月は 1.1×100=110個、0.8×200=160個です(110+160=270 で合っています)。

割合の問題では、もとにする量(先月・昨年度・定価など)を x、y にすると式が素直になります。そのぶん、最後に聞かれている量へ直す一手を忘れないでください。

5. 落としやすいところ4つ

  • ① 単位がそろっていない。km と m、時間と分、%と小数。式を立てる前に、表の中の単位を1つにそろえるのが先です
  • ② 聞かれていない量を答える。x、y がそのまま答えとは限りません。割合の問題の「今月は何個」、代金の問題の「1個あたりいくら」など、問題文の最後の1文に線を引いてから答えます
  • ③ 答えが小数や負の数になる。個数や人数で 6.5個、−3人 が出たら、ほぼ確実に式の立て方か計算がまちがっています。表に戻って見直してください
  • ④ 何を x、y にしたか書かない。途中の式を書かせる問題では、ここが抜けると式が読めなくなります(次の7章)

6. 検算は「式」ではなく「問題文」に戻す

連立方程式の解を、立てた2本の式に入れて確かめる人は多いと思います。でも、それで分かるのは「計算が合っているか」だけです。式の立て方がまちがっていたら、まちがった式どうしで合ってしまいます。

確かめるのは、問題文のほうです。型①なら「みかん3個で240円、りんご7個で840円。合わせて10個、1080円」——問題文の数字が全部出てくれば正解です。

型②なら「6kmを時速4kmで1.5時間、12kmを時速12kmで1時間。合わせて18km、2.5時間=2時間30分」。文章に戻すと、単位のまちがいにも気づけます。

7. 「過程を書きなさい」の答案は4行で書く

方程式の文章題では、答えだけでなく、答えを求める過程(式や説明)を書かせる都道県があります。当サイトが教材づくりで調べた範囲では、和歌山・広島・滋賀・群馬などで、この指示のある問題が出ています。

書くことは、次の4つで足ります。型①の例で書くと、こうなります。

① 文字が何かを書く みかんを x 個、りんごを y 個買ったとする。
② 式を2本書く x+y=10 …① 80x+120y=1080 …②
③ 解く ①×80−② より −40y=−280、y=7。①より x=3
④ 問題に合うか確かめて、単位をつけて答える x=3、y=7 は問題に合っている。 答え みかん3個、りんご7個

①を書かずに式だけ並べると、x が何なのか採点する人に伝わりません。④の「問題に合っている」は、個数が自然数になっているかを確かめたという一文です。途中の式をどこまで書けばよいかは、高校入試の数学|途中式はどこまで省略していい?にまとめています。

8. 練習問題(3問)

すべてオリジナルの問題です。答えは下にあります。紙に表をかいてから式を立ててください。

第1問(代金)

1個150円のシュークリームと1個90円のプリンを、合わせて14個買ったところ、代金は1620円でした。シュークリームとプリンを、それぞれ何個買いましたか。

第2問(速さ)

家から図書館までの道のりは2.4kmです。家から途中の地点までは分速60mで歩き、その地点から図書館までは分速150mで走ったところ、全部で25分かかりました。歩いた道のりと走った道のりは、それぞれ何mですか。

第3問(割合)

ある文房具店では、先月ノートとペンが合わせて500個売れました。今月は、先月とくらべてノートが4%増え、ペンが6%減ったので、合わせて売れた数は先月より10個少なくなりました。今月売れたノートとペンは、それぞれ何個ですか。

解答

第1問 シュークリーム6個、プリン8個
シュークリームを x 個、プリンを y 個とすると、x+y=14 …①、150x+90y=1620 …②。①×90 は 90x+90y=1260 なので、②からひいて 60x=360、x=6。①より y=8。
※ 確かめ:150×6=900円、90×8=720円、合わせて1620円・14個。

第2問 歩いた道のり900m、走った道のり1500m
2.4km=2400mに直します(速さが分速◯mなので、道のりは m、時間は分にそろえる)。歩いた道のりを x m、走った道のりを y m とすると、x+y=2400 …①、x/60+y/150=25 …②。②の両辺を300倍して 5x+2y=7500。①×2 の 2x+2y=4800 をひいて 3x=2700、x=900。①より y=1500。
※ 確かめ:900÷60=15分、1500÷150=10分、合わせて25分。2.4 のまま式を立てると、答えが合いません。

第3問 ノート208個、ペン282個
先月のノートを x 個、ペンを y 個とすると、x+y=500 …①。今月は 1.04x+0.94y=490 …②(500−10=490)。②を100倍して 104x+94y=49000。①×94 の 94x+94y=47000 をひいて 10x=2000、x=200、y=300。聞かれているのは今月なので、ノートは 1.04×200=208個、ペンは 0.94×300=282個。
※ 確かめ:208+282=490個で、先月の500個より10個少ない。「200個と300個」と答えたら×です。

9. どの都道県で出ているか

当サイトが教材づくりで調べた、16都道県の公立高校入試(令和4〜8年度)のカードを数えました。「連立」という語が問題文か答えに出てくるカードは、16都道県すべてにありました。

都道県カード確認できた年度都道県カード確認できた年度
北海道4枚2024長野6枚2022・2024〜2026
青森6枚2024・2026滋賀7枚2022〜2026
宮城4枚2025・2026奈良3枚2025
秋田8枚2022〜2026和歌山5枚2026
群馬9枚2024〜2026広島7枚2023〜2025
埼玉10枚2024〜2026福岡5枚2024
東京7枚2022〜2026高知5枚2023〜2026
神奈川6枚2024〜2026愛知2枚2025・2026
合計94枚。「カード」は、当サイトの教材づくりで作った一問一答のカードのうち、問題文か答えに「連立」という語が入っているものの数です。計算問題・文章題のほか、関数の単元で2直線の交点などを連立方程式で求めるカード(12都道県・22枚)なども含みます。

※「確認できた年度」は、問題文・答えに「連立」の語があるカードの年度です。和歌山のように、文章題に「連立」の語が入っていない年度は、このあとの表で別に確かめています。

このうち東京都では、令和4〜8年度の5年とも、大問1に連立方程式の計算が1問(5点)置かれていました。

では、この記事で扱った文章題はどうか。上の数え方だと、文章題のカードには「連立」という語が入っていないものが多く、うまく拾えません。そこで、連立方程式で解く文章題が出た年度を、カードの中身を1枚ずつ見て確かめました。

都道県年度題材(この記事の型)
和歌山令和4年度弁当の定価と売上(型①代金)
和歌山令和5年度お菓子の個数と材料の重さ(型①)
和歌山令和6年度一般道と高速道路の道のり(型②速さ)
和歌山令和7年度おとなと中学生の入園料(型①代金)
広島令和5年度動画の時間の配分
広島令和7年度前売り券と当日券の売上(型①・型③割合)
滋賀令和4年度パンの個数と材料の重さ(型①)
群馬令和6年度てんびんのつり合い(重さ)
長野令和6年度人数の増加(型③割合)
青森令和6年度峠までと峠からの道のり(型②速さ)
青森令和8年度ガスの単位料金と基本料金(型①)
高知令和6年度男子と女子の人数の増減(型③割合)
7都道県で確認できました。和歌山は令和4〜7年度の4年続けて連立方程式の文章題で、令和8年度は二次方程式の文章題に変わっています。

題材はさまざまですが、多くは代金・速さ・割合の3つの型か、その組み合わせです。重さや料金の問題も、「1つあたりの量 × 数 = 合計」と見れば型①と同じ表で立ちます。

※ 年度は、当サイトの教材づくりで確認できた範囲です。表にない都道県・年度に出題がなかったことを示すものではありません(二次方程式や一次方程式で解く文章題は、2つ目の表に入れていません)。問題文・図は載せていません(各都道県の教育委員会が公開しているものをご覧ください)。「都道県」と書いているのは、北海道・東京都と県が混ざっているためです。

自分の都道府県の過去問がどこで手に入るかは、公立高校入試の過去問|都道府県別リンク集にまとめています。

まとめ|式は頭の中で立てない。表に書けば、行の数だけ式が立つ

  • 文章題で止まるのは計算力ではなく整理のしかた。数量はまず表に書く
  • 列に「2つのもの+合計」、行に「2種類の量」。横の行1本が式1本
  • 代金は個数と代金、速さは道のりと時間(線分図もかく)、割合は前と後
  • 単位をそろえてから式を立てる(2時間30分=2.5時間、2.4km=2400m)
  • 答える前に「聞かれているのは x か、x から出す別の量か」を確かめる
  • 検算は問題文に戻して。過程を書く問題は4行の型で

当研究所が運営する学習塾でも、連立方程式の文章題は毎回のように使う単元です。式が立たないときは、まず手を止めて表をかく。表に数字を入れていくうちに、2本の式は自然に見えてきます。

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この記事を書いた人

公立進学校から東北大学理学部へ進学。学部卒。
プロ家庭教師、塾講師経験のある40代。
子供は中学生一人。
2026年9月に吉原ビジネスデザイン研究所(YBDL)を開業
2026年10月に「よしわら塾」を開業しました!

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