【高校入試】おうぎ形は「円の何分のいくつ」で解ける|公式2つと、よく出る4つの形(円錐の展開図・弓形)

おうぎ形は「円の何分のいくつ」で解ける。①中心角÷360を分数にする ②円周・円の面積を出す ③②に①をかける。手順はいつも同じ3つ。

おうぎ形の問題で手が止まるとき、公式は覚えていても、「×中心角/360」の計算の途中で止まっていることがあります。2πr×120/360 を前にして、どこから約分すればいいか分からなくなる、という止まり方です。

この記事では、中心角を先に「円の何分のいくつ」に直してから計算するやり方で、おうぎ形の基本の公式と、入試でよく出る4つの形を順に整理します。上位の人向けの難問ではなく、「おうぎ形が出たら手が止まる」人が、基本の問題を確実に取るための記事です。

当サイトが16都道県の公立高校入試(令和4〜8年度)をもとに作った一問一答のカードを数えると、おうぎ形を扱ったカードは合わせて52枚で、年度まで確かめられたものは14都道県にありました(神奈川・愛知は、公式を確かめる基本のカードだけです)。円錐の展開図(側面のおうぎ形)を扱ったものは、年度まで確かめられたもので4都道県にありました。

目次

1. まず結論|おうぎ形は「円の何分のいくつ」で考える

おうぎ形の公式は、次の2つだけです(半径 r、中心角 a°)。

求めるもの公式言葉にすると
弧の長さ2πr × a/360円周 × 円の何分のいくつ
面積πr² × a/360円の面積 × 円の何分のいくつ

どちらにも出てくる a/360 は、「このおうぎ形は円の何分のいくつか」という意味です。中心角が90°なら 90/360=1/4 で、円の4分の1。120°なら 1/3 で、円の3分の1です。

おうぎ形は円の何分のいくつか 中心角90度のおうぎ形は円の4分の1、中心角120度のおうぎ形は円の3分の1であることを、円の中に色をつけて示した図 中心角 ÷ 360 = 円の「何分のいくつ」 90° 90° ÷ 360 = 1/4 円の 1/4 の大きさ 120° 120° ÷ 360 = 1/3 円の 1/3 の大きさ ※ 赤い線が弧。弧の長さも面積も、円の「何分のいくつ」と同じ割合になる

計算の手順は、いつも同じ3つです。
① 中心角 ÷ 360 を、先に約分して分数にする(120° → 1/3)
② 円周(2πr)か、円の面積(πr²)を出す
③ ②に①をかける

半径6cm、中心角120°なら、① 120/360=1/3 ② 円周は 2π×6=12π、円の面積は π×6²=36π ③ 弧の長さは 12π×1/3=4π(cm)、面積は 36π×1/3=12π(cm²)です。2πr×a/360 を1本の式で一気に計算しようとするより、分数を先に作るほうが、途中で止まりません。

2. よく出る中心角は、分数で覚えてしまう

入試に出てくる中心角は、だいたい決まっています。次の表の分数がすぐ出てくれば、①の約分で迷いません。

中心角円の何分のいくつ中心角円の何分のいくつ
30°1/12135°3/8
45°1/8144°2/5
60°1/6150°5/12
90°1/4180°1/2
120°1/3270°3/4

表にない角度でも、やることは同じです。80°なら 80/360 を10でわって 8/36、さらに4でわって 2/9。360 の約数(2・3・4・5・6・8・9・10・12…)でわれるだけわる、と覚えておけば十分です。

3. 入試でよく出る4つの形

カードを見ると、おうぎ形の出かたは、ほぼ次の4つの形に分けられます。

形1 公式をそのまま使う(弧の長さ・面積)

「半径◯cm、中心角◯°のおうぎ形の弧の長さ(面積)を求めなさい」。いちばん多い形で、1章の3つの手順だけで解けます。答えは π をつけたまま(4π cm、12π cm² のように)書きます。

逆に、弧の長さと半径が分かっていて、面積を聞かれることもあります。そのときは、もう1つの公式

おうぎ形の面積 = 1/2 × 弧の長さ × 半径(S=(1/2)ℓr)

を使うと、中心角を出さずに求められます。半径6cm、弧の長さ4π cm なら、1/2×4π×6=12π(cm²)。1章で出した答えと同じになります。

形2 円錐の展開図(側面のおうぎ形の中心角)

円錐を切り開くと、側面はおうぎ形、底面は円になります。このおうぎ形の半径は母線で、弧の長さは底面の円周と同じです(組み立てると、弧が底面のまわりにぴったりつくため)。

円錐の展開図と、側面のおうぎ形の中心角 底面の半径2センチ、母線5センチの円錐を開くと、半径5センチのおうぎ形と半径2センチの円になる。おうぎ形の弧の長さは底面の円周と等しく、中心角は360度×2÷5で144度になることを示した図 円錐を開くと「おうぎ形」と「円」になる 半径 2cm 母線 5cm 円錐 144° 5cm 底面(半径2cm) 赤い弧の長さ = 底面の円周 中心角 = 360° × 底面の半径 ÷ 母線 = 360° × 2 ÷ 5 = 144°

側面のおうぎ形の中心角 = 360° × 底面の半径 ÷ 母線
底面の半径2cm、母線5cm なら、360°×2÷5=144°。

この式は、「弧の長さ=底面の円周」から出てきます。母線5cmの円の円周は 10π、底面の円周は 4π なので、おうぎ形は円の 4π/10π=2/5。2/5×360°=144° です。式を忘れたら、この「円周どうしの割り算」に戻れば出せます。

側面積(側面のおうぎ形の面積)は、π × 母線 × 底面の半径で、中心角を出さずに求められます。上の円錐なら π×5×2=10π(cm²)。表面積は、これに底面の円の面積(π×2²=4π)を足して 14π(cm²)です。底面を足し忘れないでください。

形3 ひいて求める面積(弓形・通過した部分)

色のついた部分が「おうぎ形そのもの」ではないときは、おうぎ形から、いらない部分をひきます。よく出るのは2つです。

  • 弓形(弦と弧で囲まれた部分)= おうぎ形 − 三角形
  • 線分が回転して通過した部分 = 大きいおうぎ形 − 小さいおうぎ形
弓形の面積は、おうぎ形から三角形をひく 半径6センチ、中心角90度のおうぎ形から、直角二等辺三角形をひくと弓形が残ることを、図の引き算で示した図。9パイ引く18 色のついた部分 = おうぎ形 − 三角形 おうぎ形 9π − 三角形 18 = 9π − 18 半径6cm・中心角90°:おうぎ形 36π×1/4=9π、三角形 6×6÷2=18

半径6cm、中心角90°なら、おうぎ形は 36π×1/4=9π、三角形は 6×6÷2=18 なので、弓形は 9π−18(cm²)。π のつく数とつかない数は、まとめずにそのまま「−」でつないで答えます。

形4 弧をつなげた長さ・回転させた立体

点が動いてできる曲線が、いくつかのおうぎ形の弧がつながった形になる問題では、半径か中心角が変わるところで区切り、弧の長さを1つずつ出して足します。また、中心角90°のおうぎ形を半径の1本を軸に1回転させると半球になる、という形も出ています。

4. 落としやすいところ5つ

  • ① 「÷360」を忘れる。円周や円の面積を出したところで止めると、円まるごとの値になります。最後に「円の何分のいくつ」をかけたかを確かめます
  • ② 弧の長さと面積の公式を取りちがえる。長さは 2πr(r は1回)、面積は πr²(r を2回かける)。単位も、長さは cm、面積は cm² です
  • ③ 直径を半径として使う。図に「直径12cm」とあれば、半径は6cmです。式に入れる前に、半径を書き出しておきます
  • ④ 円錐の中心角で、母線と底面の半径を逆にする。360°×底面の半径÷母線。母線のほうが長いので、答えは必ず360°より小さくなります。360°をこえたら、逆にしています
  • ⑤ π を3.14にして計算する。問題に指示がなければ、π は記号のまま答えます

5. 練習問題(4問)

すべてオリジナルの問題です。答えは下にあります。まず「円の何分のいくつ」を書いてから計算してください。円周率は π とします。

第1問(公式)

半径9cm、中心角80°のおうぎ形の弧の長さと面積を求めなさい。

第2問(円錐の展開図)

底面の半径が3cm、母線の長さが8cmの円錐があります。
(1)この円錐の展開図で、側面のおうぎ形の中心角を求めなさい。
(2)この円錐の表面積を求めなさい。

第3問(弧の長さから面積)

半径12cm、弧の長さ4π cm のおうぎ形があります。
(1)このおうぎ形の面積を求めなさい。
(2)このおうぎ形の中心角を求めなさい。

第4問(ひいて求める面積)

半径8cm、中心角90°のおうぎ形OABがあります。弦ABと弧ABで囲まれた部分(弓形)の面積を求めなさい。

解答

第1問 弧の長さ 4π cm、面積 18π cm²
80/360=2/9。円周は 2π×9=18π、円の面積は π×9²=81π。
弧の長さ 18π×2/9=4π(cm)、面積 81π×2/9=18π(cm²)。
※ 1/2×4π×9=18π と、S=(1/2)ℓr でも同じ答えになります。

第2問 (1)135° (2)33π cm²
(1)360°×3÷8=135°。
(2)側面積は π×8×3=24π、底面積は π×3²=9π。表面積は 24π+9π=33π(cm²)。
※ 確かめ:半径8cm・中心角135°(=3/8)のおうぎ形の弧は 16π×3/8=6π で、底面の円周 2π×3=6π と同じです。

第3問 (1)24π cm² (2)60°
(1)1/2×4π×12=24π(cm²)。
(2)半径12cmの円周は 24π。弧の長さ 4π は円周の 4π/24π=1/6 なので、中心角は 360°×1/6=60°。

第4問 16π−32(cm²)
おうぎ形 π×8²×1/4=16π、三角形OAB 8×8÷2=32。弓形は 16π−32(cm²)。
※ 16π と 32 はまとめられないので、このまま答えます。

6. どの都道県で出ているか

当サイトが教材づくりで作った、16都道県の公立高校入試(令和4〜8年度)の一問一答のカードのうち、問題文か答えに「おうぎ形」を含むものを数えました(52枚・16都道県)。

都道県カード確認できた年度都道県カード確認できた年度
北海道6枚2026長野2枚2022・2026
青森4枚2024愛知1枚―
宮城2枚2024滋賀4枚2022〜2024
秋田3枚2024・2026奈良2枚2026
群馬5枚2026和歌山4枚2022・2023
埼玉5枚2025・2026広島3枚2024
東京3枚2023福岡4枚2025
神奈川2枚―高知2枚2026
合計52枚。「カード」は、当サイトの教材づくりで作った一問一答のカードのうち、問題文か答えに「おうぎ形」を含むものの数です。「―」は、公式などの基本を確かめるために作ったカードで、年度を記録していないものです。

この52枚を、3章の形で分けて数えました。

形(問題文・答えに出てくる語)カード都道県
形1 公式・弧の長さと面積の計算41枚16
形2 円錐の展開図・側面12枚8
形3 ひいて求める面積(弓形・通過した部分など)4枚3
形4 弧をつなげた長さ/回転させた立体2枚/2枚1/2
1枚のカードが複数の形にあてはまることがあるので、合計は52枚になりません。

※ 年度は、当サイトの教材づくりで確認できた範囲です。表にない年度に出題がなかったことを示すものではありません。カードは単元ごとの一問一答なので、1枚が入試の大問1つにあたるわけではありません。問題文・図は載せていません(各都道県の教育委員会が公開しているものをご覧ください)。「都道県」と書いているのは、北海道・東京都と県が混ざっているためです。

自分の都道府県の過去問がどこで手に入るかは、公立高校入試の過去問|都道府県別リンク集にまとめています。おうぎ形は、図形の大問や小問集合の中で出てくることが多いので、過去問では「円」「円錐」の図が出てくる問題を探すと見つけやすくなります。

まとめ|「円の何分のいくつ」を先に書けば、おうぎ形は止まらない

  • 公式は2つ:弧の長さ 2πr×a/360、面積 πr²×a/360
  • a/360 は「円の何分のいくつ」。先に約分して分数にしてからかける
  • 弧の長さと半径が分かれば、面積=1/2×弧の長さ×半径
  • 円錐の側面:中心角=360°×底面の半径÷母線、側面積=π×母線×底面の半径。表面積は底面を足す
  • 色のついた部分がおうぎ形でなければ、おうぎ形から三角形(または小さいおうぎ形)をひく
  • 答えは π をつけたまま。π のつく数とつかない数はまとめない

おうぎ形は、手順が決まっている分、練習した分だけ確実に点になる単元です。まず1章の3つの手順と2章の表を、何も見ずに書けるようにしてください。

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→ 都道府県別・全国版の一覧を見る

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この記事を書いた人

公立進学校から東北大学理学部へ進学。学部卒。
プロ家庭教師、塾講師経験のある40代。
子供は中学生一人。
2026年9月に吉原ビジネスデザイン研究所(YBDL)を開業
2026年10月に「よしわら塾」を開業しました!

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