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山梨県の公立高校入試(後期募集)は、他県にはない非常にトリッキーな「内申点の計算ルール」を持っています。
いちばん大事なのは、判定にあたって調査書の記録と学力検査の成績を「同等に扱う」と基本事項に明記されていることです。内申と当日点が半々ということで、どちらか片方に賭ける作戦は成り立ちません。調査書は、中1〜中3の各学年で、学力検査をする5教科の評定×2と、実技4教科の評定×3を足します(令和9年度 実施要項・2026年10月14日公表)。計算すると1学年110点、3学年で330点です(要項に満点の書き方はなく、この数は計算上のものです)。ほかに特別活動などの記録を、各高校の基準で1〜30の段階で評定します。
また、学力検査(本番のテスト)でも、英語の「35〜50語の長文英作文」や、数学の「式を用いた説明」など、独自の記述対策が必須となります。
そして、山梨県の受験生にとって最も過酷な壁が、「山梨県教育委員会の公式HPには、過去問題が掲載されていない」という事実です。
この記事では、令和9年度(2027年2月・3月)入試について、県教育委員会の基本事項と実施要項で確認できたことだけを書きます。前期募集と後期募集のちがい、国語だけ55分の学力検査、長期欠席者等を対象とした特別選抜、令和9年度の日程、そして市販の過去問題集が必要になる理由までまとめました。
📅 この記事は、いま中学3年生の人が受ける「令和9年度(2027年2月・3月)入試」の記事です。
令和9年度の資料で確認ずみ:選抜の基本事項、日程、学力検査の教科・配点・検査時間と時間割、調査書の計算のしかた、特別選抜の概要(令和9年度 実施要項・2026年10月14日公表)
前期募集の「選抜資料比重」は各高校が定めます。志望校の資料で確認してください
1. 山梨県は前期募集と後期募集の2本立てです
| 前期募集 | 後期募集 | |
|---|---|---|
| 実施校 | 全日制のすべての高校・学科 | 全日制のすべての高校・学科 |
| 検査日 | 令和9年1月28日(木)・29日(金) | 令和9年3月3日(水)(4日(木)は特別選抜の面接) |
| 検査の中身 | 面接のほか、高校長が必要と認める場合は特色適性検査・特技・個性表現 | 学力検査(5教科) |
| 結果 | 令和9年2月5日(金)に内定通知 | 令和9年3月11日(木)に発表 |
前期募集には学力検査がありません。選抜は「各高等学校長が定める選抜資料比重に基づき、調査書、学習活動及び生活状況に関する所見、面接並びに各高等学校長が定める検査の成績を総合判定」して行われます。
📊 前期募集の枠は、学科によって上限が違います
| 学科 | 募集人員の上限 |
|---|---|
| 普通科 | 募集定員の40%以内 |
| 理数科・文理科・英語理数科・探究科(専門教育学科) | 募集定員の40%以内 |
| 職業に関する学科 | 募集定員の50%以内 |
| 総合学科 | 募集定員の50%以内 |
職業学科と総合学科は、定員の半分までが前期で決まります。この2つを志望するなら、前期の面接対策は「おまけ」ではありません。逆に普通科は最大でも4割なので、後期の学力検査が本番です。
前期募集の出願は1人1校1学科に限られます。全国募集は北杜・韮崎・甲府工業・農林・巨摩・青洲・笛吹・日川・都留・都留興譲館・富士北稜・甲府商業の12校が実施します。
2. 後期募集の学力検査|国語だけ55分です
| 項目 | 令和9年度 実施要項に書かれていること |
|---|---|
| 検査教科 | 国語・社会・数学・理科・英語(リスニング検査を含む)の5教科 |
| 配点 | 各検査教科100点(合計500点)。専門教育学科と普通科のコースは配点を変えることがある |
| 検査時間 | 国語は55分、社会・数学・理科・英語は各50分 |
| 検査期日 | 令和9年3月3日(水)の1日で5教科。3月4日(木)は特別選抜(長期欠席者等)の志願者の面接 |
| 追検査 | 令和9年3月9日(火) |
国語だけ5分長いのが山梨県の特徴です。記述の量が多いということを意味します。過去問を解くときは、必ず国語だけ55分、ほかは50分で計ってください。50分で解く癖をつけてしまうと、本番で5分をどう使うか決められません。
3月3日(水)の時間割は次のとおりです(集合8時40分。令和9年度 実施要項)。英語(リスニングを含む)は最後の5時間目です。追検査(3月9日(火))も同じ時間割で、会場は山梨県総合教育センター(笛吹市御坂町成田1456)です。
| 教科 | 時刻 | 時間 |
|---|---|---|
| 国語 | 9:20〜10:15 | 55分 |
| 社会 | 10:35〜11:25 | 50分 |
| 数学 | 11:45〜12:35 | 50分 |
| 理科 | 13:35〜14:25 | 50分 |
| 英語 | 14:45〜15:35 | 50分 |
⚠ この検査時間は、令和9年3月の入試から変わります。
社会・数学・理科・英語の4教科は、これまで45分でした。今年度から50分になります(国語は55分のままで変更なし)。対象は全日制の後期募集検査と定時制検査です。
県は「出題内容は変わりません。これまでの出題内容を維持した上で、難易度は変えず、解答時間を5分延長して50分とします」と説明しています。
つまり過去問は45分で作られた問題です。50分で計って解き、余った5分をどこの見直しに使うかを先に決めておくと、本番で差がつきます。
出典:山梨県「学力検査の解答時間が変わります」(令和8年5月)
⚖ 判定は「調査書と当日点を同等に扱う」
一般選抜においては、調査書の記録及び学力検査又は追検査の成績を総合判定し、選抜する。判定に当たっては、調査書の記録と学力検査又は追検査の成績を同等に扱う。
(令和9年度山梨県公立高等学校入学者選抜の基本事項)
ほかの都道府県とくらべたい方は → 内申点(調査書)の計算方法|47都道府県一覧(満点・対象学年・実技4教科の扱い・当日点との比率)
内申と当日点が半々です。片方だけで押し切る作戦は成り立ちません。
📄 長期欠席者等を対象とした特別選抜
山梨県には、調査書の評価を用いない選抜があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 欠席が年間30日以上の人、または30日未満でも在籍校で教室での学びが十分にできていない人(病気・家庭の事情・保健室やフリースクールへの登校など) |
| 選抜方法 | 学力検査と個人面接で合否を決定。学力検査では一般選抜を参考とした合格ライン(最低点)を設定する |
| 募集人員 | 学校の規模に応じて2〜4名程度。各校の後期募集の募集人員に含める |
| 注意 | 一般選抜との併願は認められない。出願時に自己申告書と、学校長の出願資格確認書が必要 |
中学校で欠席が多かった人にとって、これは大きな選択肢です。調査書の評価を使わず、当日の学力検査と面接だけで判断されます。ただし一般選抜と併願できないので、どちらで出すかを中学校の先生とよく相談してください。
3. 【科目別】山梨県の学力検査(国語55分・ほか各50分・計500点)の出題傾向
山梨県の学力検査は、記述問題や資料読み取り問題が多く、時間配分が合否を直結します。
🔤 英語:全体の6割を占める長文と「35〜50語」の英作文
- 特徴: 長文読解の割合が非常に高く、小問数全体の約6割を占めます。また、与えられたテーマについて「35語〜50語」の英語で自分の考えを書く、ボリュームのある条件英作文が毎年出題されます。
- 【対策】 単語や文法の知識だけでなく、長い英文を速く正確に読み解くスピードが必須です。英作文は、自分が確実にスペルミスなく書ける構文のパターンをいくつか暗記しておきましょう。
📐 数学:大問1の小問集合を死守し、式を用いた説明を書く
- 特徴: 大問1の小問集合だけで全体の配点の約3割を占めるため、ここでの失点は致命傷になります。後半では、図形の証明だけでなく、「式を用いて理由を説明する」記述問題が頻出です。
- 【対策】 基礎的な計算問題は満点が大前提です。後半の記述問題は、答えに行き着かなくても「わかっている条件や途中式」を書き残し、部分点を拾う粘り強さが求められます。
🧪 理科・🗺 社会:図表の読み取りと記述力の勝負
- 特徴: 理科は実験の模式図やグラフから、社会は地形図や統計資料から情報を読み取り、文章で記述させる問題が多く出題されます。社会は問題数も多く、難易度が高めです。
- 【対策】 用語の一問一答形式の暗記だけでは全く通用しません。「なぜこの実験結果になったのか」「このグラフの変化の理由は何か」を、自分の言葉で説明できるレベルまで理解を深めてください。
📖 国語:複数資料の整理と総合的な読解力
- 特徴: 本文だけでなく、図表などの「複数資料」を関連づけて読み解く力が重視されています。
- 【対策】 設問で何が問われているのかを正確に把握し、本文と資料の「どこを使えば答えられるのか」を素早く見つけ出すトレーニングが必要です。
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4. 過去問非公開の山梨県で「市販の過去問題集」が必須な理由
ここが山梨県の受験生にとって、最も重要な分かれ道です。
山梨県教育委員会の公式ホームページには、過去問題やリスニング音声のデータが掲載されていません。
山梨県特有の「35語〜50語の英作文」や、資料を読み解いて理由を記述する理科・社会の問題を攻略するには、ネット上の情報ではなく、本番と全く同じ形式の過去問を実際に解いて、プロの詳しい解説を読むことが唯一の解決策です。
そのため、山梨県の公立高校入試で合格を勝ち取るためには、市販の「過去問題集(東京学参など)」を購入することが、実質的な必須条件となっています。
- プロの採点基準がわかる: ボリュームのある英作文や理社の記述問題において、「どこまで書けば部分点がもらえるか、何を書いたら減点されるか」が明確になります。
- リスニング音声が手に入る: 配点の高い英語のリスニング対策を、本番と同じ環境でシミュレーションできます。
- 時間配分を体に叩き込む: 長文や記述が多い山梨県のテストを50分で解き切るペース感覚は、実戦演習でしか身につきません。
公式HPに頼ることができない山梨県の入試では、早めに過去問題集を手に入れた人ほど、演習に使える時間が長くなります。国語だけ55分という時間配分を体に入れるためにも、早く実戦演習を始めてください。他の県の公開状況は 公立高校入試の過去問|都道府県別リンク集 にまとめてあります。
👉 2027年入試向け|山梨県公立高校入試の過去問題集
解いたあと、知識を定着させる
過去問を解くと、落とした原因が「知識」なのか「時間」なのかが見えてきます。知識で落としている場合は、同じ問題集をもう一周するより、一問一答の形で潰すほうが早く終わります。
当サイトでは、公立高校入試の過去問を分析してつくった一問一答&両面暗記カード(PDF)を用意しています。山梨県版は現在ご用意がないため、全国の頻出問題を横断してまとめた全国版をご覧ください。スマホアプリが付いていて、同じ2,004問をスマホでも解けます。価格は980円です。
💡 本記事の作成について(作者&AIの共創) 本記事は、塾講師経験者による専門的視点と、最新の入試データを解析するAI技術を掛け合わせて制作された「共創コンテンツ」です。山梨県教育委員会が公表している令和9年度の基本事項と実施要項を、直接確認して書いています。
この記事の出典
この記事の制度・日程・配点は、次の公式資料で確認したものだけを書いています。数値と日程は年度ごとに変わります。受験する年度の資料を必ずご自身でご確認ください。
- 最新の入試情報(山梨県教育委員会)
- 令和9年度山梨県公立高等学校入学者選抜の基本事項|PDF
- 令和9年度山梨県公立高等学校・山梨県立特別支援学校高等部入学者選抜実施要項(2026年10月14日)|PDF
- 長期欠席者等を対象とした特別選抜 制度の概要|PDF
- 令和9年度 前期募集選抜方法等一覧|PDF
- 学力検査の解答時間が変わります(令和8年5月)|PDF
最終確認日:2026年10月26日
