隣県の過去問は使うべき?|似ている県の選び方と、使っていい範囲

他県の過去問 どの県を選ぶか 隣かどうかではなく時間と配点で選ぶ

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目次

先に結論|他県の過去問は「全部」ではなく「部分」で使う

自分の県の過去問をやり尽くしてしまった。初見の問題で練習したい。そこまで来たら、他県の問題は有効です。ただし、丸ごと1年分を解く必要はありません。

使っていい部分やめておいたほうがいい部分
数学の大問1(計算・小問集合)国語の作文(条件も字数も県ごとに違います)
英語の文法・短文読解英語のリスニング(時間も設問形式も県で違います)
国語の漢字・語句国語の長文(設問の作りが県ごとに違います)
理科・社会の知識を問う小問社会のご当地資料問題

目的は「点を取ること」ではなく「初見の問題に慣れること」です。他県の問題で点が低くても、気にする必要はありません。

似ている県は「隣かどうか」ではなく、時間と配点で決まります

隣の県だから問題が似ている、とは限りません。公立高校入試は県ごとに作られていて、満点も検査時間もそろっていないからです。当サイトで46都道府県の実施要項を調べたところ、次のように分かれていました。

1教科の満点県(当サイトで確認できたもの)
100点(5教科500点)北海道・宮城・群馬・埼玉・神奈川・岐阜・滋賀・和歌山 など
90点(5教科450点)大阪・鹿児島
60点(5教科300点)福岡
50点(5教科250点)静岡・広島・高知・三重・奈良・島根・山口
40点(5教科200点)京都
22点(5教科110点)愛知
1教科の検査時間県(当サイトで確認できたもの)
60分秋田の国語・数学・英語、福井の国語、千葉の英語、大阪府の数学(C問題)
55分徳島の国語、福岡の英語、大阪の英語
50分いちばん多い形。秋田の理科・社会もここです
45分三重・岡山(全教科)、富山の国語
40分京都(英語は筆記30分+リスニング10分)、大阪の理科・社会
教科をまとめて実施長野の前期選抜(3教科を45分、2教科を30分)

他県の問題を解くときは、時間を自分の県に合わせてください。40分の県の問題を60分かけて解いても、本番の練習にはなりません。
県ごとの違いは 公立高校入試は都道府県でどう違う? に、47県の一覧は 【47都道府県】難易度ランキング&出題傾向まとめ にまとめました。

形式そのものが違う県があります

満点と時間が近くても、解答のしかたが違えば練習になりません。次の県は、そもそも作りが違います。

違うところ県
マークシートと記述式の併用千葉・埼玉(どちらも令和9年度から)、愛知(マークシート)
国語に聞き取り検査がある秋田・青森・千葉・富山
作文だけ別枠で時間が取られる愛媛(国語45分とは別に、作文25分)
問題が難易度別に分かれている大阪(A・B・C問題)、埼玉(学校選択問題)

自分の県がどれに当てはまるかは、公立高校入試の過去問|都道府県別リンク集 から各県の記事に入って確認できます。

他県の問題を集めるなら、分野別過去問のほうが早い

「他県の大問1だけを20問続けて解きたい」という使い方をするなら、全国の入試問題を単元ごとに並べ替えた「分野別過去問」のほうが手間がかかりません。1冊で全国分がそろいます。

中身と選び方は 【中3夏休み】高校入試対策おすすめ問題集|「分野別過去問」が最強な理由 にまとめました。無料で公式から手に入れる方法は 公立高校入試の過去問を無料で手に入れる方法 です。

ここからは、なぜ他県の問題が役に立つのかを、もう少しくわしく見ていきます。

なぜ他県の問題が役に立つのか

出題形式の違いに触れると、初見の対応力が上がる

都道府県ごとに、入試問題の特徴(記述の多さ、資料の量など)は大きく異なります。

あえて異なる形式に触れておくことで、本番で「見たことがない問題」が出たときにも動じない本当の応用力が身につきます。

自分の県より少し難しい問題が、いい練習になる

隣県の問題が自分の県より少し難易度が高い場合、それを乗り越えておくと、自分の県の過去問が簡単に感じられます。精神的にも実力的にも、余裕が生まれます。

解く問題の数を増やせる(とくに数学・英語)

自県の過去問は年数が限られており、やり尽くしてしまうケースが多々あります。隣県を視野に入れることで、本番レベルの良質な問題演習量を2倍、3倍に増やすことができます。

大問1(小問集合)は、どの県でも似ている

特に数学の大問1(計算や基本的な一行問題)は、どの都道府県でも出題内容に大きな差がありません。そのため、隣県の大問1を集中的に解くだけでも確実に得点力アップに繋がります。

実例|よしわら塾(秋田県)では、隣県4県の過去問を毎回使っています

ここまでは一般的な話でした。このサイトを運営している吉原ビジネスデザイン研究所は、秋田県で「よしわら塾」という小さな教室も開いています。そこで実際にどう使っているかを、そのまま書きます。

自分の県の過去問は、学校の演習で先に使われてしまう

塾で生徒を見ていて、いちばん困るのがこれです。中3になると、学校の授業や課題で自分の県の過去問を解く機会が増えます。家でも学校でも同じ年度を解くことになり、「初めて見る問題として解ける年度」がどんどん減っていきます。

自分の県の過去問は、直前期に「本番と同じ条件で初めて解く」ために残しておきたい。だから、ふだんの演習は他県の過去問で回す。これがよしわら塾のやり方です。

この記事の後半では「自分の県の過去問を先に」と書いています。一般には、その順番で大丈夫です。ただ、学校の演習で自分の県の年度が先に使われてしまう場合は、よしわら塾のように順番を入れかえて、自分の県を直前期に残す手もあります。

使っているのは、秋田に接している4県すべてです

よしわら塾で使っているのは青森県・岩手県・宮城県・山形県の4県です。この4県は、秋田県に接している県のすべてにあたります。

秋田県の資料には「周囲は奥羽山脈を隔てて東は岩手県に、南は山形、宮城の両県と隣接し、北は本州最北端の青森県と境して…」とあります(出典:令和5年版 秋田県勢要覧 第1章「秋田県のすがた」第1節 地勢・秋田県企画振興部調査統計課)。秋田と宮城の県境は栗駒山のあたりの山あいの境なので、ふだん「隣」とは感じにくい県です。

そのうえで宮城県は外せません。東北の中心である仙台があるからです。

公式の問題と正答表が手に入る県は、秋田県・青森県・宮城県のページにまとめてあります。

いまは数学と理科がメイン。実力テスト前は国語

5教科すべてを他県でやるわけではありません。ふだんは数学と理科を中心にしています。この2教科は、県が変わっても問われることが大きくは変わらないと考えているからです。

実力テストの前だけは国語を足します。それも長文ではなく、漢字・文法・古文です。古文か漢文かは、学校から配られる範囲表に合わせて選びます。範囲表に「古文」とあれば古文、「漢文」とあれば漢文の設問だけを他県から抜き出して解かせます。

数学で毎回使っている6つの分野

数学は、他県の過去問から次の6分野を毎回使っています。

どれも単元がはっきりしていて、県が変わっても形が似ている分野です。逆に、県ごとの個性が強い大問(複雑な関数の融合問題や、その県独自の資料を使う問題)は他県では使いません。1年分を時間どおりに解くのではなく、分野ごとに切り出して使っているので、隣の県でも時間や配点の違いは気になりません。1年分を本番の形式で解くなら、次の「どの県を選ぶか」のとおり、時間と配点の近い県を選んでください。

やってみて分かったこと

続けていると、数学は少しずつ正答率が上がっていきます。同じ分野を県を変えて解くので、出題のされ方の幅に慣れるからだと思います。

それ以上に効いているのが、「これは実際の入試問題だ」という事実そのものです。問題集の問題を解いて丸がついても「本番は違うのでは」と思ってしまう生徒が、他県とはいえ本物の入試問題で解けると、はっきり自信を持ちます。

どの県を選ぶか

この記事の前半に、満点・検査時間・解答の形で分けた表を置きました。自分の県と同じ区分にある県を選んでください。「隣だから」で選ぶと、時間も配点も違う問題を解くことになります。

各県の詳しい傾向は 【47都道府県】公立高校入試の難易度ランキング&出題傾向まとめ から確認できます。

使うときの3つの注意点

全部を解く必要はない

隣県の過去問は、“必要な部分だけ”使うのが正しい活用法です。

国語の長文や、理社のマニアックなご当地問題などは県ごとの差が大きすぎるため、無理にすべてを解いて一喜一憂する必要はありません。

優先順位は、いつも自分の県の過去問が先

隣県の過去問はあくまでも「補助教材」です。以下の優先順位を絶対に崩さないようにしてください。

  1. 自分の県の過去問(最優先・最低5年分)
  2. 自分の県の模試・類似予想問題
  3. 隣県の過去問(必要なパーツだけ)

難しすぎる問題で自信をなくさない

隣県の問題を解いて点数が悪くても、落ち込む必要は一切ありません。目的は満点を取ることではなく、「初見の問題に慣れること」です。

教科別|今日からできる使い方

数学:大問1(計算・小問集合)だけを解く

最も手軽で効果が高い方法です。「計算」「方程式」「関数・データの基本」は全国共通です。

  • 活用法: 1日10分のスキマ時間を使って、隣県の大問1を3〜5年分タイマーで測って解く。

英語:リスニングと文法を中心に使う

英語も他県の素材がそのまま活きやすい教科です。

  • リスニング: 音声のスピードや設問の形式に慣れるため、1日5分だけ他県の音声を聴く。
  • 文法・短文読解: 文法規則は全国共通。短文読解の量をこなして読むスピードを上げる。

国語:漢字・語句だけを抜き出す

長文読解は県ごとのクセが強いですが、漢字の読み書きや語句の意味はどこでも共通して役立ちます。定期テスト対策や朝の10分学習に最適です。

理科・社会:知識を問う小問だけを使う

実験の考察や複雑な記述問題は自県を優先し、隣県の過去問からは「基本用語を問う小問」だけを抜き出して、知識の穴がないかチェックするツールとして使いましょう。

いつ使うか|時期ごとの目安

  • 春〜夏休み前: 自県の過去問の傾向を知る(まだ隣県はやらなくてOK)。
  • 夏休み中: 苦手な単元(例:関数、歴史など)をピンポイントで補強するために、隣県の問題を部分的に使う。
  • 秋〜冬(12月まで): 自県の過去問を過去5〜10年分徹底的に解き、完璧に分析する。
  • 直前期(1月〜本番): 自県をやり尽くした後の「初見テスト」として、隣県の過去問を時間を測って本番形式で活用する。

直前期(1〜2月)に使うときの注意

隣県の過去問は、直前期にこそ効きます。自分の県の過去問を解き切ってしまい、「初見の問題で仕上げたい」という状態になるのが、ちょうどこの時期だからです。

ただし直前期は、やりすぎないことのほうが大事です。次の3つを守ってください。

  • 自分の県の過去問を最優先で終わらせてから。隣県はあくまで補助です
  • 1回に1年分、1教科ずつ。まとめて解こうとすると、復習が追いつきません
  • 形式が大きく違う教科は避ける。国語の作文や英語のリスニングは県ごとの差が大きく、直前期に混乱のもとになります。数学の大問1(小問集合)と理科・社会の知識問題が、いちばん安全に使えます

自分の県の過去問がどこまで公式で手に入るかは、公立高校入試の過去問|都道府県別リンク集 にまとめてあります。

まとめ|他県の過去問は「部分」で使う

  • 隣県の過去問は丸ごと解かず、必要な教科・大問だけを「つまみ食い」する。
  • 数学の大問1、英語のリスニング・文法は特にコスパが高い。
  • 軸足は常に「自県の過去問」に置き、浮気しすぎないこと。

自県の過去問をベースにしつつ、隣県の良問を上手にスパイスとして取り入れることで、入試本番の「初見対応力」は圧倒的に高まります。賢く活用して、志望校合格を手繰り寄せましょう!

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この記事を書いた人

公立進学校から東北大学理学部へ進学。学部卒。
プロ家庭教師、塾講師経験のある40代。
子供は中学生一人。
2026年9月に吉原ビジネスデザイン研究所(YBDL)を開業
2026年10月に「よしわら塾」を開業しました!

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